防水Li-ionバッテリ式エアポンプの製作2017年05月27日 22時13分

まもなく田植えの季節です。

楽しかったヤエンの季節も終盤間近になり寂しい限りです。

ところで以前自作したLi-ionバッテリ式のエアポンプ

ちょっと前の釣行で壊れてしまいました。(´;ω;`)




原因は水が入らないように改良したつもりの

エア吸入パイプから移送中に、オーバーフローした

海水を吸い込んでポンプが止まり中の基板や

バッテリが壊れたようです。(泣)




エアポンプをバラしてみるとバッテリや

基板は水洗いや度重なる海水の侵入で

あちこち錆びてボロボロになっていました。

さすがにこの状態になると復活は厳しいので

防水Li-ionバッテリ式のエアポンプを新しく

自作することにしました。

まずは製作するエアポンプのスペックを考えます。


エアポンプ仕様

・防水ケースに入れて完全密閉式とすること。

・Li-ionバッテリ式とすること。

・Li-ionバッテリは18650として将来交換できること。

・充電はケースを開けなくてもできるようにして

 USB電源で充電する。

・信頼性を考慮してポンプ本体はロータリー式とする。

・エアポンプの大きさは現状の弁当箱と

 同等にすること。


今まではエアポンプケースに弁当箱を使っていました。

ワンタッチで蓋がはずれるという利点があり蓋には

パッキンがありますが防水性という意味では

いまひとつの感じです。

なので今回ケースとしてタカチの防水ボックス(IP67)

WP11-15-4」を使いました。


・防水ケース:タカチ WP11-15-4



IEC60529 IP67の防水ボックスです。

IP67とは保護特性記号で

第1記号 人体固形物による保護等級(0~6)
    
       6: 耐塵型 粉塵が内部に侵入しない。

第2記号 水の侵入に伴う保護等級(0~8)
    
       7: 防浸型 深さ1Mに30分水没させ水が侵入しない
          
         
・ポンプ本体

ポンプ本体は信頼性を考慮してロータリーポンプで

決まりです。


Amazonで1150円で購入しましたがしばらくして

売り切れました。



ところが違う店では同じポンプがなんと

14926円~27677円で売っています。↓

海外通販で買っても800円くらいなのに

一桁違う!うそやろ(笑)




究極のアジカンを作ろうとポンプ類を集めていたら

いろいろ集まりました。(もうビョーキやな(笑))




・Li-ionバッテリ

これはスマホ用の市販バッテリで決まりです。

充放電保護機能がしっかりしている上にバラバラで

18650のバッテリを買うより安いです。


『エアポンプ製作編』にはいります。

さてまずはバッテリです。

信頼のバッテリーANKERを採用しました。

Anker PowerCore 13000

 (13000mAh 2ポート 大容量 モバイルバッテリー) 




このままでは残念ながらケースに入らないので

惜しげもなくバラバラします。^^;

(自己責任で分解しています。良い子のみなさんは

危険ですので絶対に分解しないように!。)




制御基板とバッテリを分離します。

ショートなど大変危険ですので

真似は絶対しないでください。☆彡

中には18650が4本並列接続されていますが

これをバラバラにバラします。




タカチの防水ケースを加工していきます。

パッキンが入っている6箇所のネジ止め式の

ケースです。




蓋の部分にバッテリ制御基板の充放電モニタ用の

LED4個がモニタできるように穴を開けます。

このLEDが外部から見えないとバッテリの状態が

わからないので全く使いものになりません。(*´ω`*)




基板を仮り配置してパネル面から見た状態です。

お!いい感じです。(*^^*)




充電用のコネクタの穴や電源スイッチの

必要最小限の穴を開けていきます。




ポンプ上部の電源スイッチの穴です。

丸穴は簡単ですが四角穴は加工が面倒です。




ところでポンプを完全密閉にしたらエアをどこからか

吸入しない限りポンプからエアは排出されません。

空気取り入れ口を開けるとそこから水が

ケース内に侵入してくる恐れがあります。

前回はそれで失敗しました。

ははは(泣)

空気は通すけど水は通さないものはないのか?

なぞなぞです。

有りました!(*^^*) → 動画です。


しかし個人で入手は難しそうだったので

何か他に使えそうなものはないかと探しました。

さてこれが今回最大の武器?

プロテクティブベント PMF-12HAS です。




筐体内の圧力変動調整・通気対策品で

通気性があり水やホコリを通さないメンブレンフィルターに

より筐体内の圧力変動を調整することができます。

と記載があります。

現物をみると空気流量 4000ml/分(差圧70mbar)

保護等級IP68(水深2M/1h)とあります。

(カタログではなぜか2000ml/分(差圧70mbar)

市販品のポンプの送風量は強でも約2L/分ぐらいなので

空気流量は大丈夫でしょう。


市販のエアポンプもエア吸込口にフィルタが

あるのでたぶん空気は通すけど水を吸い込まないような

防水フィルタ構造になっているものと思われます。(^o^)




さてここから電気回路の組立にはいっていきます。




今回はバッテリケースを内蔵して

将来バッテリ(18650)を

交換できる構造としました。




詳しいことは省きますがモータ制御回路は

前回も使ったTEXAS INSTUMENTS社製の

低圧モータドライバモジュール DRV8832

を使うことにして穴開き基板に組み込みました。




エア吸入口と電源用防水コネクタの

裏面の写真です。




電源スイッチとLO-Hiのエア切換スイッチを残して

ほぼ完成です。

LO側ではモータの回転数は固定ですがHi側では

基板にモータ回転数調整用のVRを

内蔵していますのでモータの回転数を

低速~高速まで自由に設定できます。




各スイッチには防水キャップをつけて

シリコーンシーラントで防水します。




家にあったコーキング材の

シリコーン・シーラントです。

バスコークよりコスパがいいです。(*^^*)




電源スイッチをつけてましたが、あとで

水が入ってこないように内部からも

コーキングします。




ポンプ本体を接続してとりあえず完成です。

出来た!!

( ̄ー ̄)ニヤリ。




絶縁用のゴムをバッテリにかぶせて蓋をします。




念の為防水パッキンには防水用にシリコングリスを

塗っておきます。




完成した写真です。

正面から・・・。

何も無いと寂しいので同好会のステッカーを

貼りました。^^;




右側面




裏面




充電する時は防水コネクタから専用ケーブルを

使って充電します。

充電中はポンプは自動的に停止します。




ハピソンのエアポンプとくらべてみました。

縦は同じくらいですが横幅がちょっと大きいです。

電池込で比べたところ重さは約80gぐらい重いです。




動画です。





アジカンに取り付けてみました。

市販品のポンプには無い存在感です。

かっこいい!(自画自賛)




しかしはっきり言って部品代と自作する手間を考えたら

エアポンプなんか買った方が遥かに安いけどね ^^;

ははは・・・。

by.izuyan