サンバー君深刻な問題2019年02月27日 20時07分

ここまで快調に改造を重ねてきた(笑)

愛車サンバー君ですが

実は始動時に気になることがありました。

それはキーを捻ってセルモータを回すと

ギャ,ガガーと嫌な音がエンジンの方から聞こえるときが

時々あるのです。

とりあえずセルモータの不具合を疑って

分解してみることにしました。




セルモータは1本のボルトと1つのナットで

固定されています。

これをはずすと簡単に脱着できます。




セルモータを外してミッション側の

フライホイル(リンクギア)のギアを見てみると・・・・・。




あ!手前側が削れている。




セルモータ側のギアを見てみると




こっちはまだ大丈夫みたい。

だけど汚れ具合をみるとギアの先端しか

噛み合ってないのかな?




エンジンをかけるときは

下記の写真のようにピニオンギアが

リンクギア側に飛び出してきます。




しかしネットを検索するとサンバーの


izuyanのサンバーなんてまだマシな方で

「サンバー リンクギア」でネットを検索すると

山のようにバキバキに折れたギアの

写真が出てきます。(涙)

とりあえずかなり汚れていたので分解して

綺麗に掃除することにしました。




モータの集電ブラシはまだそんなにすり減っておらず

まだ大丈夫のようです。




モータ軸はかなり変色したグリスで

汚れています。




これらをパーツクリーナで洗浄すると

汚れが取れてピカピカになりました。(*^^*)




オーバランニングクラッチギアも正常に

動作します。




プランジャがONすることによりテコの原理で

ピニオンギヤが飛び出しますが

軸に斜めの溝が切ってあるため

飛び出すときは相手側のギアに噛みやすいように

ゆっくりと回転しながら飛び出す構造です。

(ほんとに良く出来てるなあ)

これらをグリスアップしながら

組み立てて元に戻します。




今までセルモータにはあまり興味が

無かったのですが^^;

これを機会にどういう構造になっているのか

勉強することにしました。




動いて当たり前の部品なんですが

これが壊れるとエンジンがかからない・・・。




さて始動時にギアが噛み合わなくて

ギャ!ギャ!とかギーギー音がする原因は

なんとなくわかりました。

モータのピニオンギヤは回転しながら飛び出るのですが

そのときにうまく入らずにリンクギアにぶつかるのです。

それでギアが飛び出したときどれくらいリンクギアに

入り込むのかスケールで測定してみました。




正常にピニオンギヤが飛び出すと十分に

噛み合いそうです。

まだまだリンクギアは大丈夫そうですが・・・。




これらのギアの写真を持って知り合いの

車屋さんに行きました・・・・。

そして写真をひと目みるなり”これはリンクギアと

セルモータの交換ですね・・・。”

とりあえずあとで見積もりを出しますね・・。

リンクギアの交換はミッションを降ろさなくては

いけないから高くなるかも?

そしてしばらくして届いた見積もりは12万円近いものでした。(泣)

やはりミッションを下ろすので工賃が高い・・・・。


ギアのかみ合わせ確認↓

正常に噛み合えばまだいけるんでは?




こんな高い修理代を出すのは無理だ!

ははは・・。

12万あったら新品の鮎竿が買えるぞ!(笑)

だってもともと安い中古車ですよ ^^;

自分でなんとか延命修理できないかなあ?

そしてその日から毎日セルモータについての勉強が

始まりました。(笑)

セルモータの仕組み図です。↓



【動作原理】

①キースイッチ(スタータスイッチ)を捻ると
  バッテリからC端子に12Vの電圧がかかりプルインコイルと
  ホールディングコイルに電流が流れます。

②電流はプルインコイルとホールディングコイルの両方に
  流れて強力な電磁石になり鉄心を引きつけます。
  鉄心が引きつけられるとメイン接点が押し込まれてONになります。
  同時にシフトレバーを動かしてピニオンギアがゆっくりと
  回転しながらエンジン側フライホイールのリンクギアと噛合ます。
  この時点ではモータのメイン接点は入っていません。
  そしてメイン接点はバッテリーからの+12Vに直結されているので
  ONになった瞬間にC端子とB端子の間に電位差が無くなり
  プルインコイルは電磁石としての機能を失いますが
  ホールディングコイルにより鉄心は押し込まれたままの
  状態で保持されます。
  そしてその瞬間にメイン接点がONしているのでモータに
  大電流が流れ、アーマチュア(回転コイル)が回転し
  ピニオンギアが回転してエンジンがかかります。
  ちなみに最初にホールディングコイルだけに電流を流しても
  磁力が弱くて鉄心を引きつける事はできません。

③エンジンがかかるとキーを戻すので電磁石の保持力がなくなり
  バネの力によってギアが引っ込みメイン接点がOFFします。
  ちなみにエンジンの方がモータの回転数より高くなった場合は
  エンジンの方が逆にモータの軸を回しますが
  オーバーランニングクラッチがあるので力を逃し
  空転するので大丈夫です。
  
そこでizuyanは考えました。

ピニオンが完全に飛び出してリンクギアと完全に噛み合ってから

モータを回してあげればギヤ鳴りはないのでは?と・・。

なので電気的にタイマを設けることを考えました。




スタート時に電流計をみていたらセルモータを回す

瞬間的に100Aぐらい流れるので

余裕をみてアマゾンで200AのパワーリレーをGET ^^;




その前にギアがどのくらい飛び出すのかプランジャの

ホールディング試験を行いました。




通常の状態ではモータが回ってしまうので

モータにつながっているM端子を外して

本体(アース)に直接つなぎます。

そうすれば電磁石単体が動作して

ピニオンギヤが飛び出すはずです。

【実験開始】

最初B端子に12V(+)をつないでおいてそれから

C端子とB端子をショートさせプランジャを動作させます。

カチ!

あれ?プランジャ(ソレノイド)がカチっと動作する音は

聞こえるけどなぜかギアが飛び出てきません。

え~なぜだ!?




しかし配線を通常に戻してC端子に12Vをかけると勢いよく

モータが回転しながらギアが飛び出してきます。





ということは・・・・。

ここでひとつの仮説を立てました。




セルモータは機構的にピニオンギアが

完全に飛び出してからモータのスイッチ(マグネットスイッチ)

が入る構造になっています。

このセルモータは壊れていて完全にギアが

飛び出せていないのにモータのスイッチがはいり

回転する勢いでギアが飛び出す。

そして強力に回転しながら飛び出すピニオンギアと

止まっているリンクギアが噛み合わずバゴンとぶつかり

その瞬間メッチャ嫌なギャっという音がでるのでは?。

ではなぜホールディング試験で

ピニオンギアが飛び出さないのか?

その謎を確かめるためもう一度分解して確認します。

マグネットスイッチ(ソレノイド:電磁石)が

動作するとシフトレバーは、引っ張り込まれ

てこの原理でギアを前に押し出す構造です。




しかし手動で下に引っ張ってもあまり

ピニオンギヤが飛び出しません。

なぜだ!わからん。

わーんと泣きながら^^; 頭を抱えます。(笑)




しばらく悩んだ結果、支点を支える部品が無いので

支点がぐらついて前に押し出す力がモータ軸側に

伝わらないのでは?ということに気が付きました。




そこでネットでセルモータの分解図を調べます。

なかなか見つかりませんでしたが

外国のサイトにそれらしきものがありました。




あれ?シフトレバー付近の部品が2個ないぞ!?

まさかプラスチックの部品なので壊れて粉々に砕けた?

分解する時に写真を撮っているので分解前から無いのは

間違いありません。

とりあえず仕方ないのでズレない支点を

自作することにしました。

丸ワッシャを削ればぴったり丸穴に入りそうです。




大ワッシャを2個ボルトではさみ、ドリルの軸につけて

回転させ大きさに合うように削ります。




途中にゴム板を入れてピッタリの高さに!

これくらいでいいかな・・。




丸ワッシャで支点ストッパ?をつけたので

今度はプランジャが引き込まれても支点は

ぐらつきません。

なのでこれなら絶対に反対側のギヤは飛び出るはず。




うまくいくといいな。




ドキドキしながらホールディング試験を

行います。

M端子をアースに落としてB端子に12Vをかけて

C端子に電圧をかけるとギヤがガツンと飛び出します。

その後M端子のアースを外してプルインコイル側の

電流を切ってもホールディングコイルによりガッチリと

位置は保持されます。

やった~試験動作成功!




まだ数mm飛び出す余地が有ったのでさらに

プランジャ側を細工して完全にピニオンギヤが

飛び出すようにしました。



遊びが無いのでメカ的に良いか悪いかわかりませんが

どちらにしても次回壊れたときは用品交換なんで。^^;

構造上は、めいっぱいギアが飛び出してからメイン接点が

ONになりモータが回転するはずなので

ギアのぶつかり合いはあまり無いはずです。

とすれば電気的に遅らすタイマはいらないなあ・・・。




この改造したセルモータを組み込んで

試験したらスタート時のギアがぶつかる

異音は出なくなりました。

\(^o^)/





ところでサンバーにはもうひとつ

キーシリンダースイッチの弱点があります。

この部品はよく接触不良が起こるみたいです。

愛車のスイッチもスタート時たまに調子が悪くなることが

有ったのでセルモータC端子への直接ON/OFFをやめて

スターターリレーを途中に入れることにしました。

200Aのアマゾンで買ったリレーがもったいないので

ここで使います。(*^^*)




荷台下のエンジンルームのところにリレーを

ビスで固定するための穴を開けます。




ステップドリル(通称たけのこ)で穴を広げます。




リレーを仮置きしてみました。

お!良い感じ!




キースイッチからの配線をリレーのコイル側に接続し

接点をセルモータのC端子に接続して完了です。

これならスタータースイッチに流れる電流が少ないので

火花が飛んで接触不良になる可能性は少なくなります。

このリレーはモータ回路のメイン配線では無いので

そんなに大電流は流れないのですがガッチリと

5.5mm2の太い線で配線しました。




これらの改造によりもう完璧にギアが噛み合うためか?

今のところエンジン始動時にギャ!っという

嫌なギア鳴りは一度もありません。

\(^o^)/




とりあえず延命処置完了です。

これでますます愛着が湧いたなあ・・・。

で・・。浮いた予算でラチェットスパナ買いました。




ははは・・・。

これで izuyan修理工場 を始めるかな?

by.izuyan